「あれ、日本人が多いって聞いていたんだけど・・・」

日本企業が多く進出している、と聞いていたデュッセルドルフ。
意外にも日本人はほとんど見られなかった。
（でも・・・日中は、普通働いていますよね）

激動！ツカサのドイツ研修旅行報告！

〜デュッセルドルフ編〜

毎日、ビールだけ飲みトイレを探すツカサ。
午前中からビールを飲んでいると、さすがにトイレが近くなる。

下世話な話だが、重要なことなのでここでちょっとトイレの話をしたい。

実はドイツでは公衆トイレが皆無である。
（駅にも無い！！）
これにはかなり参った。
特に道に迷ったときや、遠くへ移動する場合などは本当に困る。そのため、デパートで酒売り場をチェックしながらお手洗いを借りる事が多かった。
ちなみにお手洗いを借りたあとはチップを払う。大体２０〜５０セントが相場だと思う。
残念ながらトイレの写真は撮らなかったが（撮れなかった）トイレの出口付近に掃除のおばちゃんが座っていて机の上に皿が置いてある。その皿にチップを入れるのである。
チップを入れると、当然「チャリ〜ン」という音がする。
その音に反応して（掃除中でも）「ありがと〜」と返事をしてくれる。

デュッセルドルフでは「アルト」を飲みに飲み屋街のアルトシュタット（旧市街）へ向かう。

ベアレンの定番ビールにもなっている「アルト」だがいったいどんな風に飲まれているか興味があった。

ここでちょっとおさらいだが、アルトとはドイツ語で「古い」という意味で、もともとは下面発酵ビールに対して伝統的な上面発酵ビールを指す言葉であった。
現在ではデュッセルドルフで作られる上面発酵ビール「アルト」を指している。

私がまず向かった先は「ユーリゲ」。
最近では日本でも瓶ビールが入手できるブランドだが、やはり木樽から直接注がれる本場のユーリゲを飲んでみたかった。

行ってみると外の立ち飲みカウンターで飲んでいる人達でにぎわっている。すでに立ち飲みスペースが無く、（店内も相当混んでいるんだろうな）と思いながらﾃｨ?僻發魍?韻討澆拭
すると、予想以上に混んでいて飲むためのスペースが見あたらなかった。

すると、カウンター付近の服を掛けるような所の影からこっちに来い、と年配のドイツ人から手招きされた。
その場所が、実は店内の立ち飲みスペースで常連客が親切に入れてくれたのだった。

そんな、こんなでようやく辿り着き、ユーリゲの樽生を早速注文。木樽から注がれるビールを飲む。
（・・・？ガスがほとんど無くね？）
そう、ケルシュのときも感じたが、木樽から自然落下で注ぐビールはガスが抜け抜けになっている。
味わいは淡いロースト香と麦芽から感じられる甘み、そして若干のアロマホップが感じられる程度で全体的に淡い味わいなのだが、ガスボリュームが少ない状態でバランスがとれているためスイスイと何杯でも飲めちゃうのである。

アルトのグラスはケルシュグラスと違い、250mlと少し量が多い。
しかし、お客様の飲むスピードはケルシュのそれと同じかそれ以上に感じた。

（飲める、いやこの雰囲気にのまれる）

などと思いながら、飲んでいると給仕の動きが目に付いた。
アルトもケルシュと同様、コースターに印をつけて杯数をカウントしていくのだが、ケルンの場合は少々グラスにビールを残しておけば「おかわり」は運ばれて来ないのだが、ここでは違っていた。
多少グラスにビールが残っていても次のビールが運ばれてくるのだ。

これは、１）常連客が多く、２）給仕とお客様との信頼関係ができていて、３）給仕の配膳能力が高い、という理由から給仕が、より積極的にアルトの入ったグラスを勧められるのだと思う。
もちろん、たくさん売ればそれだけ給仕のお給料にも直接反映される、というのもあるが、それにしてもアグレッシブな勧め方である。
隣に立っていた常連客などは、「この一杯でもう帰らなきゃ」
と私に言っていたが、グラスのビールが１/３程度になったところで次のグラスが置かれてコースターにチェックが入っていた。
（これはさすがに怒るよな）
と思いきや、しょうがねぇな、といった表情をして会計を頼みながらグイっと飲み干していた。

このあとシューマッハ、フュクセン、シュリュッセルにも行ったが給仕の勧め方は大体同じような感じであった。

地元で人気のこれらのブランドは瓶ビールがほとんどなく、中央駅にも売っていない。聞くと瓶ビールも旧市街に行かないと買えないらしい。
そして、買って飲んでみると、樽のガスの抜けた状態でバランスをとった味わいと瓶ビールのガスボリュームの高い状態とではまるで味わいが違う。
そんな瓶ビールを旧市街まで行って買うくらいなら、そのまま直営店にいって木樽から飲んだほうがいいに決まっている。
（値段も一杯2ユーロくらいで安い）
ということで、旧市街でのアルトは樽での消費がほとんどで瓶ビールはあまり見られなかった。

圧倒的な地元での支持を得て、これらの醸造所は限りある生産量のほとんどを樽で地元で消費しているのである。
（すげぇな。この地元の支持率、マジすげぇよ）
酔いがまわった状態で録音したICレコーダーに残っていた私のコメントであった。

（ドルトムント編へ続く）