「おー、ダンケシェーン！」
念のために、他のドイツ人にこの電車が本当にボンに行くのか確認する。
観光シーズンを外したジャパニーズが駅?ｻを1人うろついていた。

激動！ツカサのドイツ研修旅行報告！

〜ケルン編−ボン編〜

歴史的に有名な大聖堂とか博物館などを全く無視して旅を続けるツカサ。

前回のメルマガで
「こいつ、ただただ飲んでただけじゃねーのか？」
「ケルンはこれしか記憶に無いのか！」
などという突っ込みが一部あったので若干補足しておきたい。

（ここから数行まじめな話です）

さて、ビールのためだけの旅行を続けていたのだがボンでどうしても飲みたいビールがあった。
それが「ベンシュ」である。

ここで「ケルシュ」というビールについておさらいしたい。

「ケルシュ」はケルンで造られたものしか「ケルシュ」と呼べない。
ビールで唯一、原産地呼称を保護されているのである。
そのためケルン以外で造られるケルシュはケルシュと明記できず「ケルシュタイプ」だったり「コローニア」と表記するのである。

それで、ボンで造るケルシュ→ベンシュというワケである。

なかなかユニークなこのビールを飲みに、重いスーツケースを引きずりながらボン中央駅に降り立った。

「タクシーでの移動は絶対にしないぞ！」
と意地になって公共交通機関をつかって移動していたのだがベンシュ付近のバス停が無く・・・

結局歩いた。（本当だって！）

まだ、醸造レストランが開いていなかったのだがすぐ向かいの観光名所「ベートーベンハウス」を無視して地元デパートのお酒売り場で時間を潰し（いわゆるデパ地下）もう一度醸造レストランへ。

オープンと同時に入店し、まず「ベンシュ」！

ベンシュのグラスだが、200mlで内容量はケルシュと変わらないが形が変わっている。ちょっと曲がっているのである。
予備知識として知っていたのだが、実際に目の当たりにすると結構曲がっていて、しかもグリップしやすい形になっている。
ビール自体は無濾過のケルシュでいわゆる「ヴィース」と呼ばれるものなのだが、かすかに感じるエステル香が心地よくケルシュとも違う味わいを楽しんでいたのだが・・・

（ん？なんかモルトの香りじゃね？）

奥をのぞいてみるとラッキーなことに仕込みの最中だった。
お店の人にことわって写真を取らせてもらっているとそのうち、マイスターが出てきてくれて色々話をすることができた。

その中でいくつか書きたいことはあるのだが実は、ベンシュ、歴史は浅くまだ24年。
曲がったグラスを使い始めたのはここ数年のことのようだった。
また、ベンシュ一筋でやっていたが、限定で出していた濾過ヴァージョンのベンシュ「Klar（クラー）」をレギュラーにしたり限定でヴァイツェンを造ってみたりと色々模索しながらここまでやってきたようだった。

そして来年で25周年。
地元のお客様と共に歩んできた歴史がようやく四半世紀を迎える。このベンシュがさらに歴史を重ね、ボン市内の飲食店では曲がったグラス当たり前・・・なんてことになるのだろうか。
なったら楽しいだろうな、などと思いベンシュを飲み干す。
もちろんベンシュ・クラーも飲み干し、ボンを後にした。

デュッセルドルフ編へと続く