11月2日（月曜日）この日、朝一で盛岡を出発しそのままドイツへ向かったツカサ。現地時間の2日の夜9時にはケルンに着いていた。

通常であれば宿でゆっくりするところだろうが、限られた時間を有効に使い、なおかつ時差ぼけを直すべく夜のケルン市内へ繰り出す。

まずはミューレンケルシュを飲みに行った。
ここはもともと風車で麦芽を挽いていたところで、風車がロゴになっている。繁華街から離れているため、また夏の観光シーズンも過ぎていることから非常に地元のお客様の多いお店であった。

このお店だけではないのだがケルンの飲食店ではほとんどケルシュしか出していない。（ヴァイツェンなどは皆無）
そして200mlの細長い「シュタンゲ」と呼ばれるグラスで飲まれる。体験してみるまで信じられなかったが、飲み終わったあたりを見計らって給仕が「勝手に」空いたグラスと新しいビールを交換していく。（地元客以外だと一応確認してから置いていく）そのときにコースターに鉛筆でチェックが入りそれを基にお勘定されるのである。

（日本だったらクレームだな）
と思いながら飲んでいた。

観察していると、逆に一分くらいグラスが空の状態になっているとお客様のほうから「遅せーぞ！」とクレームの声が飛ぶ。
ところ変われば・・・とはこのことである。

このシステムだが、実は飲み終わりが問題である。
普通に
「すみませ〜ん！」
なんて言うと、サクッとお代わりが置かれてしまう。
（一応、実際にやってみたら・・・やはりそうなった）
そのため、コースターをグラスの上に乗せた状態で勘定をお願いするのである。

この日は一軒で終わったが、翌日は7軒のお店をハシゴしていたのでさすがに200mlのグラスで飲んでいたとはいえ少々酔っ払ってしまった。
ちなみにケルシュを1杯で終わらせる、なんてことは現地ではありえない。少なくとも2,3杯は飲まないと「バッタ物」と思われてしまうので、そのくらいは飲んで回っでいたのである。

けれども、現地に行けば意外と飲めるものである。
理由の一つは、ほとんどのレストランで木樽からのサービングだったためガスの含有量が格段に少ない。そのため、実際にスイスイ飲めちゃうのである。

そんなワケで後半は記憶が薄いのだが、勢いづいていたためレストランの給仕の方や他のお客様とも話しながら常連様の空間へと誘われるがままについていった。

・・・なんだかサクサク飲んだような記憶があるが・・・

気がついてみると、この日宿泊していたユースホステルのベットの中。
（せっかく時差ぼけが直ったと思ったのに）
そう思いながら、深夜さらに瓶ビールを買い求めに部屋をでる。

（日本は、いま午前11時か）と思いながら
「研修旅行に乾杯！」
そう、独り言をつぶやきながらビールを飲むのであった。

「ボン編」へとつづく